僕は太宰が読めない
僕は、バンドをやっている自分が恥ずかしくて仕方がない。
みんなに顔向けができない、と思う。
だから、はじめましての時にバンドの話になると苦笑いしてしまうし、
趣味とも言えず、仕事にもできず、宙ぶらりんの恥が僕を責める。
ほとんど読んだことがないのに、
彼もそうだったように感じていて、
だから、恥ずかしくて、僕は太宰が読めない。
でも、彼は仕事にしていたから、
きっと、僕より恥ずかしかっただろうな、と思う。
そういう部分をポップにさらけ出すというパフォーマンスが
それ自体とても恥ずかしいのに、それでお金を稼ぐなんて、
そんなに辛いことないよね。
そうでもしなきゃ生きていけんし、
そうまでして生きているのも恥ずかしいし、
そう、そう、そう。
たぶんね、恥ずかしいならやめろよ、って言われるんだ。
でもね、君たちがそんなだから、
僕も、太宰も、恥ずかしく生きるしかなかったんだ。
読んだこともないくせに。